しまうまダイアリー

興味のあること/学んだことを、自由気ままにくねくね書いてます。

ブロックチェーン/bitcoinから派生しているトレンドの整理

id:tannomizuki さんのブログより

ブロックチェーンや暗号通貨、Token Salesが色々と面白いので、インターネットサービスのプロダクトマネージャーの皆さんはぜひ勉強しましょう

と書いてあったので、以前メモってたものに加筆して、現時点の理解・認識を整理してみました⛓ tannomizuki.hatenablog.com

※断片的に見てきたものを整理しているので間違ってる認識があったら、お手数ですが、筆者Twitterまでご指摘ください。(むしろ勉強になって助かります。。)

ブロックチェーンについて

  • 「改竄コストが見合わないよう設計された、取引情報の分散台帳(DB)」技術。
    • Key-Valueなどの汎用的なデータ構造を扱うというより、あくまで「取引(コミットログ)の台帳」としての機能。
  • 今後、「機密性の高い取引・契約情報を安全に取り纏める基礎技術」として基盤になりうるので、頭に入れておく必要がある。
    • 処理そのものに時間がかかる仕様だが、情報システムのバックエンドとして導入時に高速処理できるよう、R&Dも進められている。
    • knowledge.sakura.ad.jp
    • 暗号化などのコストも踏まえると、規模が小さすぎても非合理。

bitcoinについて

  • ブロックチェーンを基礎とした(というかブロックチェーンの原点的な)「グローバルな通貨交換を、銀行などの中央集権的な仕組みからより自由な(共通通貨として、無利子でより早く/信頼性高く交換できる)通貨」として期待されている仮想通貨。
  • 価値の源泉は「ハッシュ化された暗号解読時の電気代」
    • マイナーは採掘成功で手数料(採掘時点の全体の採掘されたBTCの総量-その時点で交換されたBTCの総量)と、固定の相場値(BTC)を取得。
    • マイニングで得られる価値>マイニング時にかかる電気代になるよう設計されている(からマイナーはこぞって参入する)。
      • 一定時間単位でブロックが処理される
      • コンピュータ強化して単位時間あたりのブロック処理量を上げようとする(電気代高騰)
      • 貨幣価値を安定化させる(貨幣供給量を増加させすぎない)ようにマイニングの難易度上げる
      • 採掘されるBTC価値が上がる
    • 逆に言うと、「マイナーの参入そのもの」が通貨価値の源泉になっており、貨幣価値が不安定な仕様である。
    • 安定的な価値を提供する通貨として流通させるなら、課題となりうる。

Token Sales(ICO)について

  • 上記のような仮想通貨の性質を持ち合わせたまま、有価証券取引の形式ではない形で、資金調達ができる「購買型のクラウドファンディング」。
    • 有価証券のようにCF的に稼いでいるか/稼げそうかで価値が決まるのではなく、調達後の事業展開/アクションによる社会価値も含めた価値評価になる。
    • ネット上で行われ、各国の有価証券に関する規制を受けない。
    • 誰でも/いつでもToken発行/取引できることで高い流動性を持つ。
  • 「有価証券ではない」という形式は、各国法制度の正式な解釈ではなく議論中のステータス。今後、議論を進める必要がある。

ざっくり感想

  • ブロックチェーン技術は取引情報の台帳として、サービス設計時にシステム基盤としての応用利用の検討が今後あり得そう。
  • bitcoinは脱中央集権的な通貨として期待が高まるも、「価値の安定化」「承認処理」など、一般的な通貨同等に一般社会の中で扱うには、技術仕様上の課題も多く、今後の仮想通貨の発展の中でどう解決されていくかが気になる。
  • Token Salesはこれまで以上に資金調達の柔軟性を上げる一方、仮想通貨が持つ課題である「価値の不安定性」と「有価証券と見做さない前提を果たす上での法的な議論」、および「制約内での技術的実現」が今後、どう進められていくかが面白そう。

備考

超蛇足ですが、丹野さんの話で紹介されていたKyash/polcaなどは、個人的に周辺領域の話かなとも感じてます。

「デジタルな個人財布を造って、取引インフラを抑える話」であると認識していて、上記とは発展コンテキストが異なる理解です。

ただ、今後取引インフラとしての発展の中で、延長線上での繋がりは今後見込まれると思います。 digiday.jp thebridge.jp